以前、iDeCoのメリットや2024年からの変更点を掲載しました。こちらの記事になります。

iDeCoには3つの節税メリットがあります。
・1つ目は、掛金が全額所得控除となることです。
月20,000円(2024年12月から月20,000円まで可能)を積み立てている所得税が20%の方は、年末調整で48,000円の所得税が還付されます。
・2つ目は、運用益が非課税となることです。
運用益とは、利子や配当、株の値上がり分などの利益分のことです。通常は、約20%の税金がかかりますが、iDeCoでの運用益にはその20%の税金がかかりません。よって増えた分が全てそのまま利益になります。
・3つ目は、今回説明する、受け取り時に税制優遇があることです。
それでは、どんな税制優遇があり、どうしていくのが良いか説明していきます。
受け取り時の「税制優遇」は絶対に利用すべし!
iDeCoは受け取り時に税金が掛かります。
この時の税金は、「運用益」(増えた分)に対する税金ではありません。
iDeCo受け取り時、受け取ったお金は「所得」扱いとなります。「所得」ですので、「所得税」が掛かるのです。
元々、積立時、年末調整で積立金が控除され、所得税が還付されていましたので、プラマイゼロのようですが、受け取りの時の税金を節税することで、節税効果を大きくすることができます。というか、受け取り時に節税を行わないと、iDeCoを行った意味やほとんどありません。
iDeCo受け取り時の節税は、しっかり対策を行っていきましょう。
「優遇制度」とは、どんな制度なのか
iDeCoは、受け取り方によって適用となる「税制」と「優遇制度」が変わってきます。
受け取り方及び「税制」と「優遇制度」は以下の表のとおりになります。
| 受け取り方法 | 税制(所得の種類) | 税制優遇制度 |
| 年金として受け取る場合 | 雑所得 | 公的年金等控除 |
| 一括で受け取る場合 | 退職所得 | 退職所得控除 |
年金として受け取る場合は年金等と同じ税制の扱いになります。私の夫が行っているみずほ銀行のiDeCoでは、年金払いの場合は5年から20年の間で受け取り期間を選択することができます。
一括で受け取る場合は、退職所得であり、退職金と同じ扱いです。
また、これらは併用することもできます。
先に結論をお伝えしますと、自衛官がもっともiDeCoの受け取りで節税できる方法は、
「定年し、14年経過後の1月1日以降に一括で受け取る」ことです。
これは、定年が早い自衛官だからこそ使えるワザになります。
それでは、中身を説明していきます。
年金として受け取る場合の税金は?
年金として、iDeCoの受け取りを行う場合、公的年金(国民年金、厚生年金)などの同じように「雑所得」となります。また、「公的年金等控除」の対象となります。
「公的年金等控除」における控除額(税金が掛からない金額)は以下の様に決まっています。

年齢及び収入により、控除額((a)-(b))が決定し、所得(b)について税金がかかります。
60歳~65歳未満は60万円までは税金がかかりません(控除額は年間60万)。
65歳以上は110万円までは税金がかかりません(控除額は年間110万)。
また、注意点があります。この「控除」については、他の公的年金等との合算となります。
自衛官の方は、年金収入は
「国民年金+厚生年金+退職年金+iDeCo+個人年金の掛金より増額した分」となります。
自衛官の方の年金額は概算でいうと
国民年金:6万
厚生年金:10~15万
退職年金(10年間のみ):1万
となります。国民年金や厚生年金を受給している間にiDeCoを受給すると、控除額から大きく上回り税金も多くなります。
特に、自衛官は民間の方よりも厚生年金が多く、退職年金もついているため、年金が多い傾向があります。
国民年金や厚生年金を受給中にさらに年金払いとしてiDeCoを受け取り、税金と多く払うことになってしまいます。
一括で受け取る場合の税金は?
iDeCoの受け取りで一括を選択した場合は「退職所得」扱いとなり、「退職所得控除」の対象となります。
退職所得控除の控除額の計算の際に、退職金は「勤務年数」ですが、iDeCoの場合は「加入年数」に読み替えて計算します。
この制度を活用する上で一番大事なことがあります。
それは、「1回目の退職所得控除を使用(退職金の受け取り)した場合、2回目使用(iDeCo受け取り)の受け取りが14年経過した次の1月1日以前の場合、控除額が合算される」ということです。
自衛官は1回目の退職所得控除(退職金)で、控除の枠を使い切る人がほとんどだと思います。
退職所得は「控除額」が無くても、税金が1/2になる優遇はありますが、退職所得控除は「控除額」が大変高額(1500~2000万円程度)なため、約15年あけてiDeCoを受け取るようにしましょう。
例をもって説明します。
退職金の退職所得控除額と税金
57歳で定年した(勤務年数35年)場合、退職所得控除額は、次の計算により算定されます。
勤務年数が35年の場合、
800万+70万×(35-20)=1850万円
となり、1850万円分には税金は全くかかりません。
さらに、税金がかかる残りの部分についても、その額の1/2にしか税金がかかりません。
つまり、退職金が2000万円の場合、所得税率が20%とすると、
2000万(退職金)-1850万(控除額)=150万(税制上の退職所得)
所得税は、150万×1/2×20%=15万円となります。
実際は、退職所得控除の1回目の使用の際は、若年給付金もこの退職所得に含まれますので、【退職金+若年給付金】に対して税金が計算されることになります。
iDeCoの退職所得控除額(退職後、約15年後に一括で受け取りした場合)
iDeCo(加入年数30年)が総額1000万円あり、一括受け取りを選択、14年経過した1月1日以降(71歳)に受け取った場合は、
800万+70万×(30-20)=1500万円となるため、税金は全くかかりません。
iDeCoの退職所得控除を使えない(退職後、約15年未満で一括で受け取り)場合は?
退職後、約15年未満でiDeCoを一括で受け取った場合は、
1000万×1/2×20%(所得税率)=100万
となり、100万円の税金が掛かってきます。
おすすめのiDeCo受け取り方法のまとめ
説明した内容をまとめると以下のようになります。
| 受け取り方 | iDeCo受け取り時の税金について |
| 年金として受け取る場合 | 65歳から公的年金を受給する場合、 ・60~65歳未満は60万まで非課税 ・65歳以上の受け取りは、税金が増える |
| 一括で受け取る場合(退職後、約15年未満) | 受け取り額の1/2に対して税金がかかる。 |
| 一括で受け取る場合(退職後、約15年以降) | 加入年数によって1500~2000万程度が非課税 超えた分はその1/2に税金がかかる。 |
自衛官の定年が早い(60歳未満)からこそ、この方法が使えます。
iDeCoの受け取りは、75歳までに受け取り開始をしなければならないので、定年が65歳の他の公務員はこの方法は使えません。
自衛官しか使えないこの方法でお得に節税を行うようにしてください。


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